【読書きろく】『たまごの旅人』近藤史恵
読書きろくvol.1『たまごの旅人』近藤史恵
《あらすじ》
念願かなって、海外旅行の添乗員になった遥。アイスランドを皮切りに、スロベニア、パリ、西安で、ツアー参加客それぞれの特別な瞬間に寄り添い、ときに悩みながらも旅を続ける。
ところが2020年、予想外の事態が訪れて――(実業之日本公社HPより)
コロナ禍で大好きな海外旅行に行けなくなってから、近藤史恵さんの旅をテーマにした小説をいくつか読んできました📚
今回の『たまごの旅人』は新人海外旅行添乗員が主人公。旅が好きだけど、好き!っていえるほど経験豊富なわけではない…でも添乗員として慣れているかのような振舞いをしなければいけません。面倒なツアー客にもウンザリ。
「好きなことを仕事にするな」なんてよく言われますが、これを読んでたしかに〜なんて思っちゃいました🤔
この小説の好きだったポイントは旅を通して成長していく主人公、というある意味ベタ?な設定に加えて結構社会的なメッセージが込められていたところ!
ルッキズムや人種差別、家父長制など、年齢もバックグラウンドも違うツアー客に嫌な思いを抱きながらも、単に文句を言うわけじゃないのが主人公・遥の良いところ👏
「そうじゃなくて、こう思えばいいのに」と否定するより、プラスの方向で考える性格は見習いたいなと思いました!
あとは最終章。この本2021年に書かれていたんですね!
コロナという未曾有の事態で職を失う遥が沖縄でコールセンターの職についてもなお添乗員に戻りたいと願う場面はジーンときました😭
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ツアー客や遥、遥の友人・千雪など、いろんな人の人生、視点について考えさせられました。
情けないと思っている自分の立場だって、きっと誰かから見れば羨ましいものなのかもしれない、と勇気付けられる本でした🌱
あー、早く海外旅行にいきたいー!!✈️